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2009年8月20日 (木)

戦場で心が壊れて

Photo  ベトナム戦争で経験したこと、その後のPTSDの苦しみを綴ったアレン・ネルソンさんの『戦場で心が壊れて』。一気に読んでしまいました。彼はベトナム戦争で戦闘の最前線にいました。そして、多くの人々を殺しました。女、子ども関係なくです。13ヶ月後、アメリカに帰国したとき、彼は精神に異常をきたしていました。

 ある先生とカウンセリングをするとき、決まって最後にこう聞かれるそうです。「あなたはなぜ人々を殺したのですか?」て。その都度ネルソンさんは、「戦争だったから。」「上官の命令だったから。」「敵に殺されそうだったから。」「自分が生き延びるため。」と答えていました。自分でも言い訳だとわかっていたようです。でも、口から出る言葉はそのような言葉でした。そんなカウンセリングが9年たったあるとき、カウンセリングの1番最初に「あなたはなぜ人々を殺したのですか?」と聞かれました。最初は言い逃れをしていたネルソンさんも、言い訳をやめました。ネルソンさんはこう言いました。「殺したかったからです。」って。この瞬間、ネルソンさんは漂っていた雲が晴れた感じがしたそうです。

 戦争は非人道な空間を作り出します。人が人でなくなるのです。命の感覚が麻痺し、死体が転がっていることも、人を殺すことも変だとも悪だとも感じなくなってしまうのでしょう。ネルソンさんも麻痺していたのでしょう。しかし、現実に、何の罪もない人が殺されていくのです。「戦争だったから」では済まされません。

 アメリカでは61%の人が原子爆弾の投下を正当化しています。このおかげで、戦争が終わったと。何十万人もの人が亡くなり、今でも後遺症で苦しんでいる人がいるのにこの結果です。人の命は地球よりも重たいはずなのに。現実と向き合わないから、言い訳ばかりを、自分の都合ばかりを考えて反省をしないのです。

 戦争はダメです。 

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